介護タクシー事業所の本音

車いす質問・疑問
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介護タクシーの現状を知る

介護タクシーの需要は徐々に少なくなっている。

ケアドライバー不足

介護タクシー乗務員の成り手が不足しているため、需要に満足に供給できない、少なくなった需要にも供給できない状況となっています。

福祉移送を含めた現在の状況を模索します。

事業所・ケアマネ・利用者それぞれの立場

以前(2000年代)と比較して、事業所である私たちが介護タクシー(=通院等乗降介助)利用の必要性を感じる利用者、関係者に利用を提案するケースは、かなり多くなりました。

要介護1以上から介護タクシーを利用できるという理由だけで、事業所に依頼をしてくるケースも少なくなりました。

しかしながら、自分で病院の受付ができ、一部介助(手引きや体を支える)も必要ない、いわゆる経済的な理由で利用しているケースが、まだ存在すると感じています。
そのような利用者は介護保険のサービスが通院等乗降介助のみのケースが比較的多く、中にはケアプラン作成による報酬を居宅介護支援事業所が受け取りたいだけでは?と思わせるものがあります。

正直当事業所が潤うことは結構なことですが、一市民、一県民、一国民としてはどうなのかな…と感じております。

更にあるケアマネージャーは、現在の移送料金を含めた自己負担が身体介護にすると少なくなるという理由で、かつて身体介護サービスを依頼してきましたこともありました。

どう見ても身体介護にはあたらない利用者には、逆にこちらから通院等乗降介助の扱いにしかできない旨を、また通院等乗降介助の必要がない利用者にはこちらから進言させていただいております。

タクシー会社の立場は微妙です。
安くすれば利用者及び通院回数が増え、自己負担を上げると1回の売り上げは上がりますが、利用者及び通院回数は減少します。

利用者(及び家族)は自分なりの基準があり、基準よりも安ければ、利用しますし、高ければ利用しけい傾向は変わりません。

3年に一度の大きな介護保険改定

私個人としては3年に1度の介護保険改定で通院等乗降介助の利用条件を要介護1から2へ引き上げたらとも思っております。

身体介護、生活援助については単位数、利用要件などが改定される傾向ですが、通院等乗降介助については新設当初からしばらく改定がありませんでした。

マイナス改定

なんと、2015年の介護報酬改定では97単位超ビックリのマイナス改定。

101単位⇒97単位 4単位(1回約40円)も下がってしまったのです。

その結果、運営的には厳しい事業となりました。

2018年の改定で97単位→98単位
プラス改定となりましたが、焼け石に水的な感がありました。
2019年10月消費税増税による改定で98単位→98単位 変わらず

訪問介護による通院ができなくなってしまうのでは?というケースも想定している今日この頃ですが、しばらくは訪問介護による通院支援は継続されるようです。

以前、通院等乗降介助の利用条件を緩和し、自宅からではなく、出発地及び到着地が居宅以外である目的地間の移送、例えば病院~病院間も認めてほしいとういう行政相談がありました。

通院等乗降介助の提供範囲の拡大

有識者が会議により、検討しましたが、認められませんでした。

ビジネスとしては厳しい!

厳しい運営

介護タクシーを取り巻く環境は厳しく、短期入所施設(ショートステイ)から通院する方が増えるなど報酬が入りにくい現状です。

私は介護タクシーに17年ほど関わっていますが、事務処理、経費等を考慮すると、今後介護タクシーの新規参入は困難、既存の事業所も廃業するケースが多くなると予想しています。

理由として、契約者数は多いにも関わらず、利用者一人一人の通院回数が少なく(平均通院回数も徐々に少なくなっています)、担当者会議~アセスメント~契約~訪問介護計画作成~モニタリング…といった一人の利用者に対する膨大な業務内容、及び記録書、請求業務費用、情報公開費用などの経費の割に、月に1回程度の通院(ほとんどの利用者は月1回、中には半年に1回や2年に1回)では、事業所が潤わない悪循環となっています。

訪問診療・訪問看護の充実により通院の必要性が減少

最近は、訪問診療・訪問看護の充実により、受診しなくても済む利用者、検査や医師の意見書作成のためにだけ受診すればいいというケースが増えています。

これからは先生に来てもらうから介護タクシーは必要ないと思います。

わかりました。(契約したばかりなのに一度も利用することなく終了ですか。経費のみかかってしまって…またまた赤字ですね←心の声)

そのため、通院等乗降介助の需要は減少すると予想しています。
残念ながら、市内及び隣接する市町村の介護タクシー中心の事業所は廃業や休業に追い込まれました。
全国的にも撤退する事業所が後を絶ちません。

団塊の世代が65才以上となりましたが、上記の理由で訪問介護事業所、特に通院等乗降介助をメインとしているタクシー会社の訪問介護事業所は厳しい運営を迫られそうです。

生活援助(清掃・調理・洗濯・買い物など)もトータル的に提供

訪問介護事業所でも、介護タクシーとともに生活援助(清掃・洗濯・買い物・調理など)、身体介護(排泄・入浴・更衣など)を同じ利用者にトータル的にサービス提供できる事業所は、通院等乗降介助のみの事業所と比較すると、管理もコストも有利でしょう。

介護支援専門員(ケアマネ)からの信頼も厚いものがあります。

生活援助及び身体介護とともに通院等乗降介助にも対応できる事業所がベストと言えます。