介護タクシーはかつて身体介護で算定していました。

身体介護は報酬が高く、自宅での介護時間に20分以上を要することで算定が認められます。

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かつての通院のためのタクシー

タクシーによる乗降や移動介助の出現を厚労省は想定していなかったのか。

身体介護と通院等乗降介助

訪問介護の中に通院等乗降介助が誕生したのが2005年頃です。

それ以前は通院等乗降介助という項目がなく、介護保険による移送サービスは訪問介護の項目のひとつ身体介護というサービスを使っていました。
つまりは介護タクシー(=通院等乗降介助)ではなく、介護タクシー(=身体介護)だったわけです。

ちなみに清掃・洗濯・買い物・調理などは生活援助という項目に含まれます。

訪問介護身体介護排泄介助・食事介助・入浴介助・行為介助・移乗介助・特段の専門的配慮をもって行う調理など30分2,480円ほど
生活援助清掃・洗濯・買い物・調理など45分2,230円ほど
通院等乗降介助通院時の移乗介助・移動介助・乗降介助・受付介助など1回980円ほど

通院等乗降介助誕生の理由

2018年現在の身体介護は20分以上30分未満2,480円(1割負担248円・2018年3月までは2,450円でした)ですが、介護保険開始当初の身体介護は2,100円(1割負担210円)でした(その後、2,310円→2,540円→2,550円と変遷)。
利用者から移送費を含めて210円のみを受け取っていました。ということは、2,100円を介助料とともにタクシー代に充当させていたことになります。
それが当然問題となり、改定の際に見直しとして登場したのが通院等乗降介助ということになります。
通院等乗降介助はタクシー会社に上記の対応をさせないようにするため、新たに設定された項目であるとも言えます。

通院等乗降介助の報酬の変遷

平成26年4月に消費税分として1,010円に。何故か?平成27年4月から970円というマイナス改定。平成30年4月から若干のプラス報酬改定で980円。

報酬の変遷
報酬の変遷です。2,100円が暗黙の了解で認められていました。事業所にとっては良い時代であったと言えるでしょう。
消費税が5%から8%に上がった際に経費上昇分を加味し、1,000円から1,010円に上がりました。
※平成30年度の報酬改定では若干のプラス改定、980円となりました。ちなみに身体介護は2480円となります。

1,000円になった通院等乗降介助ですが、以前と同様、別途移送費を取らずに対応する事業所が出てきてしまいました。実は当事業所もそうなのですが……。
周囲のタクシー会社が競争と称してそのような対応をしており、料金を合わせざるを得なかったこと、また利用者を増やしたいという理由によるものでした。

移送費を取らないのは法律違反

今思えばなんて愚かな、そして介護保険のためにならない、保険の無駄遣いを助長するような行為だったと思います(利用者側に立った反論意見も当然あります)。ヘルパーの認識も介助費というよりタクシー代という認識があり、肝心な介助行為そのものに利用者が満足することが少なかったのではないでしょうか。

今後も制度の改定、あるいはタクシー管轄の国土交通省の指導により料金体制の変更があるでしょう。
これからは正しく、本当に介護タクシーを必要としている利用者のために、事業所も扱いを誤らないような素晴らしい制度になってほしいと思います。

970円になってしまった報酬

しかしながら、介護タクシーをメインとしている事業所は運営的に非常に厳しくなっていて、利用者の平均通院回数は月に1回~2回、970円(平成27年4月から)の報酬を得るためには割に合わない経費が生じているのが現状です。
利用者はそれほど多くなくても一人の利用者の利用回数が多ければ、事業所の運営もうまくいくのでしょうが……。

平成30年4月からの改定により、通院等乗降介助の報酬は980円となりました。事業所に入る報酬が1回10円増えるということです。薄利多売、ちりも積もれば山になるでしょうか?

男性高齢者

通院等乗降介助対応事業所は減少傾向

介護タクシー(=通院等乗降介助)を行う事業所、特にタクシー会社が法人の訪問介護事業所は廃業、減少傾向にあります。

訪問診療、訪問看護の充実で通院の必要がなくなり、更にはレスパイト入院(介護者を休ませるための入院)の浸透、ショートステイと言いながらも実際はロングステイとなっている短期入所事業所から通院するケースの増加で通院等乗降介助の利用ができない(入院目的では通院等乗降介助の対象にならない・ショートステイ利用中も同様)などの理由により、介護タクシーの利用は減少しています。

差別化が必要

団塊の世代が65歳以上になり、高齢者人口がますます増加するにつれて、介護タクシーも差別化の時代に突入、他の事業所と同じサービスでは生き残るのは困難となっっています。

差別化の例えとして、介護保険以外の(買い物サービスのなど)充実、排泄介助・入浴介助・清掃・洗濯・調理の達人男性介護員の育成などが該当するのではないでしょうか。

通院等乗降介助に付加価値をつけるというよりも、通院等乗降介助もできる訪問介護事業所が理想と言えます。現在運営が比較的うまくいっている事業所はそのような事業所です。

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